「第1回 NIPPONIAサミット」参加レポ

活動報告

九州地区の代表としてNIPPONIAサミットに登壇して参りました。

2019年11月8日(金曜日)、各地域からのNIPPONIA事業運営者に混じり、私たちは九州地区の代表としてサミットに参加させて頂きました。

NIPPONIAとは?

「NIPPONIA」とは、株式会社NOTEが掲げる古民家再生運動(ムーヴメント)の総称です。日本の各地に点在している古民家(文化的資源)を、観光客目線で「理解促進・活用」するべく、NOTEが持つ思想「NIPPONIA」を各地域の運営者となる団体と共有するために掲げられました。

NIPPONIAが大切にする5つの約束

LANDSCAPE=原風景のミライをつくります

COMMUNITY=関わる誰もが村人です

ARCHITECTURE=文化財群を守ります(地域の職人も含)

CULTURE=食、生活文化を大切にします

ECONOMY=地域の営みを100年先に繋ぎます

200名の来場者と5つの事業実施地域を迎えたサミットという今回の集まりは、各地域で生まれた課題解決スキームやノウハウの共有、そして横の繋がりを持つ為に今後定期的に開催していくとの事でした。他の登壇された地域に比べ、甲佐町は建物も出来上がっていない状態での参加でしたが、先進的に事業展開されている地域のお話を聞くことができ、とても充実した時間となりました。

 

登壇された各地域をご紹介いたします

岐阜県/美濃「NIPPONIA美濃 商家町」

https://stay.nipponia.or.jp/areas/mino/

和紙の町「美濃」で元商人の別宅を宿泊施設や和紙専門店に改装された施設です。客室の障子や壁など、ふんだんに使われている和紙は、ユネスコ無形文化遺産である「本美濃紙」です。和紙の里での手漉き体験を中心に和紙の魅力を感じられる体験プログラムも創出されています。

 

福島県/西会津「NIPPONIA 楢山 集落」

https://narayama-planetary-village.jp/

新潟県境にほど近い、豪雪地域にある楢山集落は、見晴らしが良く、雲海も眺めることができる天空の集落です。江戸時代から約360年の間、矢部家よって継承されてきました。古くからの暮らしの知恵や道具、土地との関係性を結ぶ文化的な作品が、客室の家具や陶器、照明など随所に散りばめられているそうです。

 

山梨県/小菅「NIPPONIA 小菅 源流の里」

https://nipponia-kosuge.jp/

東京から車で2時間という、多摩川源流にある「小菅 源流の村」は、人口700人の小さな村です。自然豊かな原生林や山々に囲まれたホテルから一歩出て村を歩くと、川のせせらぎが聞こえ、畑仕事中のおばあちゃんが笑って手を振ってくれる姿があったりと、昔ながらの山村の暮らしが広がっているそうです。都会にいると味わえない豊かな時間が小菅村にはあるのだと思います。

 

和歌山県/串本「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」

https://nipponia-kushimoto.jp/

本州の最南端に位置する串本市は、漁業が盛んな町です。熊野の山々に育まれた山の幸も豊富で、食の宝庫でもあります。串本で栄えていた商家の「稲村亭(とうそんてい)」にレストラン、築100年の「園部邸」にはカフェを併設されており、地元の学生やご年配の方まで幅広い世代の方に親しまれています。

 

甲佐町のミライについて夢を語る

いよいよ甲佐町の発表の番です。壇上では、自身たちが関わる一般社団法人パレットや、まちづくり協議会でこれまで取り組んできた事などを紹介させて頂きました。地元で育った自分たちだからこそできる「まちづくり」を目指し、「これからどういったことをやっていきたいか」という事、そして来年度運用開始となる「旧松永邸」の事もお話いたしました。

築130年の「旧松永邸」

甲佐町の商店街の一角にある「旧松永邸」以前は町のたばこ屋さんとして住民に親しまれていました。この趣ある古民家を地域のシンボルとなるような「古民家再生ホテル」へと改修するにあたり、現在話し合いを進めています。建物の窓から眺める「大井出川(おおいでがわ)」、この風景を活かすような設計や現存する土間、昔ながらのタバコ屋のカウンターなど、魅力的なモノを次の時代に繋ぎたいという思いを皆で話すことは、とてもワクワクする時間です。

食と泊と暮らしでこの町をもっと面白く

施設のコンセプトは「暮らすように泊まる」ホテル。地域の「歴史建築」に宿泊し、地場の「食」を味わい、地域の暮らしや文化を体感し、人々との交流を楽しむ。そういったことを提供できるホテルを作りたい。この地域で育った私たちだからこそできる「地域再生」を目指し、また訪れたい、暮らしたいと思ってもらえる地域にしたい。地域の人が関わることで光る「関光地」を目指したいと考えています。

 

・・・というような事をお話しさせて頂きました。

 

5地域でのパネルディスカッション

それぞれの発表が終わり、サミットの後半はパネルディスカッションが行われました。「NIPPONIAで大切にしている事」のテーマで出した答えは・・・。

ずばり、「人々との関わり」。

 

先にも述べた様に地域の人々が関わることで光る「関光地」。これが私たちの目指すところであり、これから積極的に取り組む必要がある事です。

 

このmagazineBOもたくさんの方のご協力により成り立っています。甲佐町の魅力的な人々、文化、新しいコト、まだ私たちの知らない甲佐町の魅力がたくさんあります。今後もこのWebマガジンで色んな情報を発信していくことが、将来甲佐町を訪れてくれるキッカケになったら良いなと思っています。

「宿」でできる文化体験

パネルディスカッションでの一コマに「村の文化体験はどのように展開されていますか?」との問いかけがありました。印象に残った答えに「宿の中でどれだけその土地の文化を楽しんでいただけるかが重要です」。とありました。確かに、訪れてくれた方へ提供できる外での体験も重要なコトですが、泊まる施設に、その土地で暮らす人の文化が乗っかればもっと面白い施設ができると思います。

甲佐町が伝えたい「NIPPONIA」とは何だろうか…

未来に繋ぎたいものを改めて皆で掘り起こしていく必要があるな、と感じさせられた今回のNIPPONIAサミット。たくさんの地域の方達とも繋がりが持て、本当に収穫の多い機会となりました。来年もし呼んで頂けるならば、宿をオープンするまでの血の滲む苦労や、乗り越えた楽しさなんかも沢山お話しできると思います。主催のNIPPONIA協会様、ぜひまた呼んでください(笑)