ミシュランガイドにも掲載された実力派
今回は、「ミシュランガイド熊本・大分 2018 特別版」にも掲載された、手打そば「柳屋」をご紹介いたします。甲佐町中心部より国道443号線を南下。緑川を渡って約1分ほどの道沿いにあるお店の看板が目印です。
もともとは、現在のご主人のご両親が30年近く経営していた飲食店だったというやなぎ屋。料理人をしていたご主人にそろそろ実家のお店を任せたいということで、4年前に地元でそば屋を始めることに。外観はほぼ以前のままですが、内観は木の温もりあふれる和モダンな佇まいにリニューアルされました。
「ミシュランガイド熊本・大分 2018 特別版」に掲載されたことを証明する記念の盾。評価は素材の質、料理技術の高さ、独創性などを考慮して決定されるそうです。
ホールを担当されているご主人の奥さん。多忙なご主人にかわって、今回はいろいろとお話をうかがいました。もともとおそばが好きだったというご主人。東京に住んでいた頃からそばを食べ歩いていたそうです。そば作りはどこかで修行したわけではなく、独学で身につけたというからそのセンスに驚かされます。
そば粉十割にさらに小麦粉を加える「外一」
一般的にそばの割合といえば「二八」や「九一」がポピュラーですが、そば粉の割合を高めるほどそば本来の香りや味わいが強くなります。柳屋のおそばは、そば粉十割にさらに小麦粉を加える、「外一」という割合で打たれ、ツヤのある白い麺が特徴です。
毎朝手打ちするそばはコシがあり、そば粉は石臼挽きの自家製粉。石臼でゆっくりと丁寧に粉挽きすることで、そば粉の香りと風味が引き立ちます。
おそばのつゆは、鰹と昆布をベースにした関東風。旨味のきいたそばつゆが外一の麺によく絡み、ツルツルっとした喉越しが心地よく感じられます。初めてのお客様にオススメの食べ方としては、「まずは薬味を入れず、そば本来の風味を楽しんでほしい」とのことでした。
甲佐町でとれる旬の野菜を使った天ぷらも自慢。ふきのとうや菊芋など、訪れるシーズンごとに異なった味覚を楽しめるのもまた来たくなるポイントです。「丼ものや一品料理もありますので、おそばが苦手な方もご一緒にお食事をお楽しみいただけます」とのことで、お酒のお供に一品料理をご注文されるお客様も多いそうです。
熊本県内の職人さんが作る伝統工芸品などを店内に展示したりして、お客様が料理を待つ時間も楽しめるような店づくりを心がけているとのこと。
熊本の工芸品を、実際に手に取ってご覧いただける物販スペース。展示品は期間ごとに入れ替えられ、特定の作家さんを特集した展示もあるので行ってみるたびに新たな作品との出会いがあるかも!
最後に、柳屋の今後の目標についてうかがいました。
「創業からまだ4年目ですが、おかげさまで一度お越しいただいたお客様に何度も来ていただけるようになりまして、口コミで市内や他県からお越しの方も増えています。だからこそ、初めてお食事をなさるお客様の期待を裏切らないよう、日々精進していきたいと思っています」とのことでした。