商店街の古民家から食卓に元気を届けるコンフィチュール屋さん「melanger（メランジェ）」

コンフィチュールってご存知ですか？

本日は甲佐町商店街にてご夫婦でお店を営まれているコンフィチュール屋さん、「melanger（メランジェ）」にお邪魔させて頂きました。

中を覗くと、瓶に詰められた色とりどりの可愛いコンフィチュールと、甘い香りの焼き菓子が所狭しと並べられています。

「コンフィチュール（confiture）」はフランス語の単語で、語源になっている「confit」には「砂糖や酢、あるいは油などに漬けた」という意味があります。ジャムと違うところは、さらりとしているところ。アイスやヨーグルトにかけて食べるのがオススメの食べ方だそうです。

「１日の始まりに、なんだか今日は元気ないけどこれ食べたら元気がでてきたぞ。と思ってくれるようなモノが作れたらたらいいなぁと思って作ってます。」

色とりどりの小瓶に詰められたコンフィチュールたち、見ているだけでも元気が出てきそうですね。

甲佐町へ移住する前は、熊本市内でアパレルのお仕事をされていた下田夫妻。
奥様のミカさんは以前より、アパレルのお仕事の傍、大好きな焼き菓子を作ったり、料理教室を開かれていたそうです。

「食」と関わっていくうちに「もっと「食」を大切に考えてみたい、皆さんに身体に良いモノを届けたい。」と思って一念発起。

季節の果物、素材の味を活かしてコンフィチュールを本格的に作ってみよう、学んでみようと思い立たれたのは、ほんの2年前の事。それからご自身で活動の幅を広げるうちに「お店を持つ」という夢が湧いてきたのだそうです。

ご主人のご実家があるという甲佐町、熊本市内から拠点を移されたきっかけは何だったのでしょう？

「昨年開催されたやな遊びでヨガ体験に参加していて、知人にこの辺りにお店ができる所ないかな？と聞いてみたら「詳しい人に聞いてみるね」と言ってくれて、すぐに「あるよ。」との返事がきて‥というのが始まりでした。」

「建物の持ち主さんにご協力を頂いて、店舗改装の際には空き家バンクの制度を活用させてもらいました。」

コンフィチュールづくりの工房を探していたときにお話しを頂いたのが、昔から商店街の豆腐屋さんとして使われていたこの建物でした。

広い厨房や、ほどよい広さの店舗スペースもあって、ちょうどいいこの物件に一目惚れしたその時からオープンを迎えた日まで、かかった日数は約半年。

「地域の方が食材を紹介してくださる事で、以前よりも食材を集めやすくなりました。市内で活動している時にはなかった事ですごく助かっています。」

と、地域の方やまわりの人たちとの繋がりを感じれるようになったことも、甲佐町に決めてすごく良かった事だとお話してくださいました。

ご夫婦のこだわりがたくさん詰まった内装は、ヴィンテージの家具や小物たちがセンス良く並べられています。

私は昔の姿を見る事ができなかったのですが、以前の建物を知る方々は揃って「こんな変わったのねぇ、ステキになったね。」と仰います。おしゃれで可愛くて、女子ゴコロをくすぐる空間です。

「コンフィチュールって素材の味を最大限に引き出して作るから嘘がつけないし、素直な気持ちでお客様にお渡しできるのよね。」

コンフィチュールを本格的に作り始めたのは旦那様のお祖父さんの家に沢山出来ていたブルーベリーを使ってジャムを作ったことがきっかけだったそう。

「簡単で、保存もきくし、何より手作りは美味しいから。」そのうちに熊本県産の果物で作るようになり、知り合いの方々に口コミで広がっていき、現在の「melanger」に繋がってきたのだそうです。

素材の味がしっかり生きているコンフィチュール。私もいくつか戴いたのですが、中でも季節の果物やスパイスを使った「冬のコンフィチュール」は絶品でした！ジャムとは違う、これがコンフィチュールなのか！と、初めての体験にトリコになってしまいました。

季節の果物をしっかり使ってある安心安全な「melanger」のコンフィチュール、皆様もぜひお召し上がりください♪

ここ「melanger」では、季節のコンフィチュールの他に、毎週末になるとチーズケーキやティラミス、タルトやスコーンなどたくさんの可愛らしいお菓子たちが並べられるのです。お店に並ぶお菓子の種類も、一人で一体どうやって作っているのかしら！？と、驚くほどの品数。

「あれも作ってみたい、これも作ってみたいと思ってたらキリがなくなっちゃって(笑)」。

「子供の頃は本で見るおやつってなんてステキなの、魔法みたい！って思ってた。笑」

おやつがない時は自分で作っていたと楽しそうに話されます。お年玉を貯めてはおやつの料理本を買っては色んなお菓子を作って試していたそうです。

ミカさんとお話していると本当におかし作りが楽しくて大好きなんだなぁと、好奇心旺盛に情熱を持って工房に立つミカさんの姿はカッコ良く、尊敬です。

店内を見渡すと、お菓子の他にも野菜やお花が並んでいました。これは、下田さん夫婦のお知り合いの方が作られる野菜だったりご近所のショップのお花やコーヒーパックのようです。

「この店に来てくれたお客様に近くのお店を紹介したり、甲佐町の野菜や他にも色んな良いところを知ってほしくて、本当に少しずつだけど次に甲佐町に来てくれるきっかけを作れたら良いなと思って。」

「最近は本当に少しずつだけど、繋がりの輪が出来ていってるのかなと感じてます。」

新しい試みでご近所さんの新鮮なトマトを使ったコンフィチュールも作られたりと、素敵な輪が広がっているようです。

甲佐町に来てくださるお客様に是非オススメしたい、ご夫婦の優しいお人柄にも癒される素敵なお店です。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください♪