里山サイクリングを体験する
甲佐町での体験プログラム造成のため、先進的に事業展開されている岐阜県、飛騨古川の「SATOYAMA EXPERIENCE」のツアーに参加して参りました。
飛騨古川は、映画「君の名は」の舞台にもなった場所で、風情ある白壁土蔵の町並みが素敵な観光地です。拓けた場所へ行くと北アルプスが望めます。隣町には飛騨といえば高山と言うほど有名な「高山市」があります。
簡単な自己紹介や、体調を確認したら出発です。この日は約12キロのコースを3時間半ほどかけてゆっくりと周りました。
途中、ツアーガイドの佐々木さんが、その土地のこと、畑で獲れる作物のことや地域にまつわるお話を丁寧に教えてくれます。私たちは視察の目的で行っていたので、SATOYAMA EXPERIENCEに来るお客様のこと、お客様は体験で何を愉しんでいるのか、自転車を降りたりしながらゆっくりとお話を伺う事ができました。
SATOYAMA EXPERIENCEに来るお客様は殆どが欧米の方とのこと。普段私たちが目にする何気ない景色も、外国の方から見ると興味を引くものになるそうで、例えば、小さな畑やキレイに並んで植えられた野菜も、「カワイイ」ポイントらしく、とても喜ばれる景色とのこと。
話を聞き「そうか」と頷くと同時に、それを甲佐町でやるとしたら…。
飛騨古川と熊本甲佐では、地域やその土地の文化も違うので当てはまる部分とそうでない部分があるのは当然です。これからの事業化に向けての検討課題が具体的になり、本当に勉強になりました。
半分ほど進んだところの公園でお茶と老舗菓子屋の味噌せんべいを頂きました。冷たい風の中でほっこりとする温かいサービスです。飛騨古川のお祭りや、畑でできるもの、田んぼの一年を写した写真を紹介してくれます。これもその土地の様子が分かるいいアイデアでした。
帰りの道中、物産館でお買い物もできます。名物の「みだらし団子」、その大きさに驚きの「なめ茸」など、九州とは違う野菜を見るのも楽しいポイントでした。たまたま出会った物産館の方に教わった、「煮たくもじ」という漬物を煮る料理があったり、地元ならではの料理や食べ方もとても興味深いものでした。
買い物のあとは、出発地点に向けて帰路につきます。行きと帰りで違う道を走るので、飽きることなく走れました。
通常の「スタンダード半日コース」は全長22キロありますがアップダウンも少なく、ゆっくりなスピードで進むので子供でも楽しめるコースとなっています。体力に自信のない方は12キロのハーフコースも設定されており、お客様の状況に合わせて臨機応変にショートカットするなどの工夫もされているようでした。
サイクリングの背景にある人気スポット
SATOYAMA EXPERIENCEから車で30分の場所に、江戸から明治時代にかけての古い町並みを残す「飛騨高山」があります。飛騨牛、高山ラーメン、地酒など食べ歩きもできる人気スポットです。
日本ならではの町並みや工芸品、食べ物が並ぶ町の中は、ほどんどが外国の方で賑わっていました。SATOYAMA EXPERIENCEの方のお話によると、こちらの高山市に来た方が足を伸ばしてサイクリング体験に来てくれるとのことで、サイクリング体験のお客様に欧米の方が多いのも納得です。
熊本にあるものと無いもの、甲佐町にあるものと無いもの。それぞれの地域での面白みを見つけながら、それに興味を持ってくれるお客様をターゲットに体験プログラムの造成を考えなければ…と、改めて気づかされた今回のサイクリング視察でした。