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気持ち良く汗を流しながら人と町の魅力を探求 (チーム近藤 with谷田(やつだ)病院ランナーズ)

探しにいく

走ることに魅せられたランナーズ

老若男女問わず、誰でもどこでも一人でも気軽にできて健康的なランニング。全国各地で開催される市民マラソンの開催数&エントリー数の増加はもとより、日常的に町中を走る人の姿を目にするようになり、もはや、ライフスタイルの一つとして定着しています。職業や年齢を超え「走る」という共通の趣味で集う「チーム近藤」のメンバーにお話を伺いました。

チームを率いるのは、甲佐町にある特定医療法人谷田会・谷田病院非常勤医の近藤龍也さん。近藤さんの担当曜日である毎週水曜日と土曜日の朝5時半になると、病院近くの「甲佐ショッピングセンター サ・エ・ラ」前駐車場にチームメンバーが集合します。かれこれ7年ぐらい続いているそうです。

初めのうちは、近藤さんと舛田さん(通称カントク)の二人だけでした。二人とも、20年以上前から100キロマラソンに挑戦していたという強者です。週に2回、朝5時半からのランが定着するにつれ、看護師さん、薬剤師さん、事務部長さんと病院メンバーが少しずつ増えていきました。さらに、運送会社やカーテン専門店の方など、病院以外の職種の方も集まるようになり、チームとして形作られていきます。

「所属している人数だけで言うと、60人は超えているかと。実際集まるのは、大抵35人ですが()。やると決めたら、雷が落ちない限りは走ります。レースだって雨の場合もありますしね」と、人あたりの良さとは逆に男気あふれる発言が飛び出します。

華々しい業績は日々の積み重ねから

「普段の練習は、軽めで11キロかな」と、事もなげに仰いますが、素人目から見ると気が遠くなりそうです。緑川に架かる甲佐大橋を渡り、マミコゥロード(広域農道)を走る道中はお気に入りのようで、自然豊かな景観に心も和み、おしゃべりにも花が咲くようです。

少し厳しいコースになると、甲佐町から熊本市西区にある金峰山まで。最近はランニングを超えて未舗装路を走るトレイルランニングにも挑戦されているとか。今年7月に行われた「霧島・えびの高原エクストリームトレイル」は、自然の素晴らしさを体感しながら、総距離約60kmにも及ぶ霧島の登山道や林道、歩道を走り歩くもの。近藤さんは、年代別で見事1位に輝いたそうです。

今秋には、長崎で行われる「橘湾岸スーパーマラニック273」にカントクさんが出場予定です。273キロを二晩かけて走るそうで、最近は100キロ走る練習をしています。近藤さんいわく「403010と距離を刻むと、色んなコースを作れます。1コースやって帰る人もいれば、途中から参入する人もいて、入れ代わり立ち代わり走ることができるので参加しやすいですよね」。

お奨めのコースを尋ねると、即答で「イノシシ」と返ってきました。どうやら、コースの途中で猪が出没することも多々あるらしく、その通り名のようです。「親子で目の前を駆け抜けていくんですよ」。お揃いの旧チームシャツには、背中に「イノシシコース」がプリントされています。

ごく最近、チームシャツを新調したそうです。アイコンであるイノシシはそのままに、背面はよりシンプルになりました。カラーはなんと、25種類を越えているとか!9月1日、これを着たラン仲間の一人(下田さん:現チーム近藤大阪支部)が、トレイルレースである水上マウンテンパーティのショートコースで優勝されたそうです。

女子チーム専用のウェアも作っています。今年2月に行われた「RKK女子駅伝競争大会」には、これを着て3チームが出場したそうです。さらに7月には、御船で初めて「御船ジュラシックトレイル」が行われ、女性3キロの部に5名が参加。吉無田高原の緑の美しさを駆け抜ける清々しさは、ひとしおだったことでしょう。

今回の取材でメンバーに声を掛けて集めてくれたマドンナ・佐野さんは、そのトレイル(ショートコース)で優勝を勝ち取りました。「表彰式でインタビューがあると思って、直前まで何度も練習した」とのことですが、その成果を見せる場面は残念ながら一言も無かったそうです()

ランを通して町の魅力、人の魅力を発見!

先程の「イノシシ」は少々手ごわそうだったので、初心者向けのコースを教えてもらいました。益城橋を渡って坂道を上り右折、緑川左岸に広がる乙女台地に抜けて、国指定天然記念物の麻生原の金木犀を観ながら返ってくる7~8キロほどのコースがお奨めとのこと。河川敷で交通量はそれほど多くなく、秋には金木犀の香りが漂います。金木犀が見ごろの時季は、朝9時からご近所さんが交代でお茶を出してくれるそうですよ。

「チーム近藤」は、定期的に開く宴会や夏のキャンプなど、ラン以外でも交流を深めています。多い時は15人ほど集まるというキャンプは、近藤さんが前夜から乙女河原に“場所取り”に行かれるそう。「もちろん走って行きますよ(笑)。それから朝練をして、半日仕事をして、テントの設営に走って行きます」。写真は、4月に乙女河原で行ったBBQキャンプの様子です。

また時には、練習コースに感謝する意味を込めて、ゴミ拾いランを行うこともあるそうです。「甲佐町がキレイなるのは嬉しい」と、たくさんの可燃ごみや空き缶、ペットボトルなどを積極的に回収されています。8月に行ったゴミ拾いランでは、約9kmでゴミ袋がいっぱいになったそうです。

仕事を抜きにして「ただのお友だち」として純粋に「走る」ことを楽しむ「チーム近藤」の面々。「一緒に走りたい!」と思った方は、毎週水曜か土曜の朝5時半に「甲佐ショッピングセンターサ・エ・ラ」前駐車場に来てくれさえすれば良いそうです()。冬は走り終わった後に日が昇るので、ある程度の覚悟が必要です。

「ランが無かったら、みんなとこんな風に出会えなかったでしょうね。仕事で会うよりもイキイキしているように見えます」と、近藤さんは笑います。どこを走ってもよく見かけるという猪も、もちろん、大事なメンバーの一人?です。

インタビュー後に「じゃ、練習するぞ!」と高らかに声を上げた近藤さん。来年は、富士山の麓で一昼夜以上も走り続ける競技「UTMF」の出場権も獲得できそうだと意気込んでいます。ランに興味はあるけれどマイペースに楽しみたいという方は、ぜひ、近藤さんお奨めのコースを探索してみては?道中、お揃いのウェアで走る集団を見かけたら「イノシシ!」と声をかけてみてくださいね。

INFORMATION

チーム近藤 with谷田病院ランナーズ

「チーム近藤」の練習に参加ご希望の方は、
毎週水曜日・土曜日の午前5時半に「サエラ駐車場」にお集まりください。
11〜13kmをゆっくり走ります。事前の連絡等は不要です。