自分たちが使ってみていいと思うものを取り扱う
本日は、2018年の9月にオープンしたばかりの甲佐町商店街にあるセレクトショップ「NEWOLD」を訪問しました!
店主の米原明子さんに、まずはお店を始めたきっかけをお聞きしました。
「もともと器や日用雑貨を見るのが好きで、主人も長く使える「いい品」を選ぶのが好きだったんです。でも、熊本に自分たちが満足できるお店がなくて、「だったら自分たちが好きな器や雑貨を並べたお店をつくろう!」ということで思い切ってお店を始めました」。
かつては百件以上のお店が営業していた甲佐町商店街。今は半数以下になっている現状を変えるために、まず自分たちが率先してやってみないと。その想いが二人を突き動かしたと語ります。
お店では、器やキッチン用品などの生活雑貨、海外輸入のアパレルなどを主に取り扱っておられます。「長く使えるモノ、そして、使っていくうちに徐々に味が出ていくモノ。そう思える商品だけをセレクトしています」と、米原さん。店名の「NEWOLD」にも、そうした米原夫妻の想いが込められています。
商品のカテゴリや作家さんごとに丁寧に並べられたディスプレイ。配置やそろえ方にも米原さんのこだわりが感じられます。衣類をかけるハンガーラックは、なんとガス管とジョイントだけで作られた米原さんの夫・雄二さんのお手製。
現在取り扱ってる器は、鹿児島の陶芸作家・城戸雄介氏の磁器ブランド「ONE KILN(ワンキルン)」、長崎県東彼杵郡波佐見町の吉田健宗(けんぞう)氏の陶磁器、長崎県佐世保市の柳瀬俊一郎氏のスリップウェア。今年はさらに新たな作家さんの器を入荷する予定とのこと。
奥の棚にはアンティークグッズなどが並んでいて、眺めているだけでも楽しめます。
カウンターでショップカード入れになっているのが、オリジナルブランド「NAWASU」としてリリースした木箱。チェコ軍の薬箱をモチーフに、ご主人が地元の木工職人に依頼して作ってもらったのだとか。
コーヒースタンドでくつろぎのひとときを
入り口のそばにある大きなカウンターは、淹れたてのコーヒーや緑茶を楽しめるコーヒースタンドも兼ねています。
「お買い物ついでに、ドリンクを飲みながらくつろいでいただけるようにと始めました」と語る米原さん。ドリンクにはサービスの焼き菓子がついていることも。コーヒーをドリップする際に使用するポットやお出しするカップも店内で販売されているものなので、実際に使い心地を確かめていただけます。
コーヒーは熊本市内でスペシャリティコーヒーを販売するショップに焙煎を頼んでいる。原料のよさを最大現に引き出すように焙煎された豆をその場で挽いてドリップするため、店内にコーヒーの香りが立ち込めます。お多めのカップにたっぷり注がれたコーヒーは、苦みが少なく、さっぱりとしていてたいへん飲みやすいのが特長です。ちなみに、お茶も熊本市内の老舗茶園清香園の茶師に製作を依頼したオリジナルブレンドで、すでにこの茶葉のファンも多いとか。
米原さんの夫である雄二さんは、甲佐蚤の市の実行委員長を務める地域の架け橋的存在。もう一度、この商店街が盛り上がってほしいという想いが蚤の市を企画する原動力となっています。「モノを売ることも大事ですし、才能ある人を発掘して地域に住む人たちにチャンスを与えるためにお店を役立てたい。お店を円滑に回すためにもスタッフを増やし、雇用をつくってほしい」というのが雄二さんの希望です。米原さんも「新しいアイデアを持ってきてくれる雄二さんのバックアップがあってこそ、今の自分がある」と語ります。
夢を叶えたい人を全力で応援したい
最後に、米原さんにこれからの目標について訊ねました。
「ここは商店街の中心にありますので、皆さんが気軽に立ち寄れて、ここから情報を発信できたらと思っています。お店をやってみたい人たちが販売の経験を積む場として活用してもらって、お店をオープンすることができると嬉しいですね」。
自分たちの姿を見て、若い人たちも積極的にチャレンジしてほしいと語る米原さん。パンを作るのが趣味という知人がお店を開く準備を整えるために、週末は店頭にパンを並べ販売スペースに使ってもらうこともあるという。
「少しずつ自信をつけ、起業できるようバックアップしていきたい。夢をただの夢で終わらせず、着実に実現させようとしている人は全力で応援したいですね」。
暖かくなってきたので、これからはアウトドアグッズも充実させていきたいと語る米原さん。使っているうちに自然と暮らしの一部に馴染んでいく素敵な商品を集めた「NEWOLD」。ぜひゆっくりくつろぎながら、米原さんとの楽しい語らいの時間をお過ごしください。