考える力を育む塾(阿蘇塾 甲佐教室 塾長 内山修一さん)

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「過疎化高齢化が進み、学ぶ場所が少ない。このような地域こそが日本の課題最先端地域ではないのか」そこに住む子供たちに良い教育を提供したいと思った。

商店街をよく通られる方はお気づきかと思いますが、緑石堂さんのお隣の建物にかかっている「ASO JUKU」という看板。甲佐町にあるのに「阿蘇塾?」、とハテナが頭の中に浮かびますね。

「こんにちは」と、熊の被り物で出迎えてくれたのは、阿蘇塾塾長である内山さん。なんだか面白そうな方です。笑

なぜ「阿蘇塾」なのでしょうか?とりあえず被り物の謎は後にして、本来のお姿でお話を聞かせて頂きました。

「千葉県で生まれ育って、関東圏の大手企業に勤めていたのですが、家族や会社の事情など紆余曲折あって、知人から紹介を受けた阿蘇郡南阿蘇村の立野にある民泊をされている方を紹介して頂き、2015年に熊本に拠点を移すことになったんです。」

 

「阿蘇の立野に住み始めて半年後くらいですかね、地震が起こったのは。」

きっと皆さんの記憶にも鮮明に残っていると思いますが、当時の立野は相当な被害あったことを記憶しています。

「地震の後、地域の方との交流の中で気づきがありまして、阿蘇はお年寄りや子供が多い地域で、普段から子供を塾に通わせるのに大津町まで親が送り迎えをしているということを知りました。」

「塾に行きたい、勉強したい、という子供がいても塾に通うのに山を越えなきゃならない、親や時間の都合で通わせる事ができない、という現状が段々と見えてきて「なんて大変な地域なんだ…。」と思いました。」

 「大変な地域なら、勉強できる便利な場所を作ってあげよう。」

そう思い立って塾を設立したのが、地震があった年の7月なのだそうです。今ではメジャーな「スタディサプリ」を用いての学習も、初めは子供たちがコンテンツを見てくれず、活用において苦戦していたそうです。そんな時はご自身が講師となり、13での講義を行っていたとこのこと。

冒頭の写真にも登場した熊の被り物は、ご自身が出演される解説動画で使われている物。何とも言えないシュールな姿に、動画を見る生徒さんたちは釘付けになることでしょう。笑

 

「幸い、日々勉強することは嫌いではないし、教育専門の出身ではなかったので、色んな可能性にチャレンジしやすかったのだと思います。」

 

思い立ったら即行動という実行力!だけど当てずっぽうな感じはなく、入念に準備をされていたり、ご自身でも勉強に相当な時間を費やされているのが、会話の端端で伺えます。そうして阿蘇の高森町に出来た「阿蘇塾 高森教室」。さまざまな学習ツールを利用し、インターネットさえあればどこでも勉強ができる環境が作られました。

 

甲佐町の子供に不自由のない学習環境を提供したい

甲佐町に塾を構えたいと思ったきっかけは、現在町内で活動されている「一般社団法人パレット」の町づくり事業への想いに共感できたからだと仰います。

 

「甲佐町に住む子供達が学習面で不自由のないようにしたい。」

 

と、2021年の7月あたまに施設整備を始められ、83日には開講するという脅威のスピードで甲佐教室は開かれました。

教室には、一席づつ仕切られた席が約20席ほどあり、各席にパソコンが準備されています。

隣を気にすることなく自分のペースで学習ができるようで、勉強も捗りそうですね。

 

甲佐教室にはもう1人、甲佐教室室長の橋本さんという女性の方がいらっしゃいます。

学習の中でわからない箇所などを個別に教えているとのことでした。朗らかで話しやすく、親しみやすいお人柄で、この日も適度に冗談なんかも交えつつ生徒さんと楽しく学習を進められていました。橋本さんがいらっしゃれば、楽しく塾に通う事ができそうです。

阿蘇塾では、英語や数学といった積み重ね教科を重点的に教えているとのこと。

積み重ね教科は、基本の足し算引き算ができないとその先の問題に進めないように、どこかが抜け落ちるとそこから先に進めなくなると言われています。ですので、分からない事が重症化する前に納得のいくまで個別に指導を受けられる阿蘇塾は積み重ね教科の学習にとても効果的なのだと思います。

「私自身、これまで様々な経験をしてきました。思わぬ事態に遭遇した時頼りになるのは考える力です。」

学ぶことでこれから先の様々な困難に立ち向かえる子供になってもらいたい、

そういう思いを持って日々の指導に取り組んでいます。と、お話ししてくださいました。

 

「東京の大学生と、甲佐町の子供をオンラインで繋ぐ講義など、今後も色んな取り組みを試していきたいなと考えているところです。」

オンライン講義の他にも、熊本県オープン模試など定期的に実施されているとのこと。

インターネットさえあれば、日本全国、世界中どこにいても繋がれる時代。近頃は特にオンラインに対するハードルが下がり学習環境にも取り入れやすくなっているように思います。甲佐町のように有名進学塾が町内に無くても、選りすぐりの先生の授業を受けられるとは良い時代だなとしみじみ思いました。

「田舎でも可能性が広がる塾」に期待大です。

INFORMATION

内山 修一

公式ホームページ https://aso-juku.com

職業
阿蘇塾 塾長
出会える場所
阿蘇塾 甲佐教室